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Home > テクニカルイラストレーターの!!! > テクニカルイラストレーターになるには?〜3D台頭による問題点
テクニカルイラストレーションというものをご存知でしょうか。実は皆さんの近くに非常に多く存在しています。
電気製品などの取扱説明書に登場する説明用のイラストがそうです。
文章だけでは理解が難しいところに必ずといって良いほど登場するこのイラスト。
皆さんにもっと知っていただきたい、利用していただきたいとご紹介しています。

※なお、本コンテンツは日本ビジュアルコミュニケーション協会・事務局長が個人的な見解を記載しているものですので、内容について日本ビジュアルコミュニケーション協会の責によるものではありません。

■3D台頭による問題点
テクニカルイラストにとって、3Dについてどのように考えれば良いのでしょうか?

単純に考えますと、メーカーさんが3Dで設計すると言う事は、非常にテクニカルイラストレーターとしては危険な状態であると言えます。近い将来、仕事が無くなるかもしれません。
ご存知の方も多いと思いますが、三次元CADでは大抵の場合アイソメ視点というコマンド?があります。これはモデリングした形状を正確にアイソメ角度で表示できるという機能です。一部のCADではご丁寧に複数の方角のアイソメ視点までサポートしてあったりします。
そしてそのアイソメ視点のまま二次元CADデータに出力できるのです。
と言うことは・・・そうです・・・三次元のモデリングデーターがあれば、素人(設計する人は素人ではないと思いますが・・・)でもアイソメ図が簡単に出来てしまうのです!

この状態では、私たちテクニカルイラストレーターの存在価値が無くなってしまう!!!

メーカーの方々の中でも、もうテクニカルイラストレーターは必要ないとお考えの方も多いかとも思います・・・。


1.三次元CADって、どこまで普及するのでしょうか?
大手のメーカーさんはもうほぼ普及し尽くしたかのように感じます。
でもこれ中小企業さんの中ではどこまで移行していくのでしょうか。三次元CADってやっぱりそれなりの機能のものを使おうとすると1セット百万円からします。ハード的なプロテクト(パソコンの裏にコネクターみたいなものを差し込まないと起動しないてっしろ物)がかかっているので、ソフトのコピー(違法です!)は出来ませんので、必要な分購入しなければなりません。
やはり導入時に数百万はかかります。またサポート費用なるものがかかります。これが馬鹿にならない!普通のパソコンソフトならサポート無料なんてのもありますが、高価なCADの場合、年間保守料金が数十万円なんて当たり前・・・払いますか???
次に導入した三次元CAD、使えるようになるまでどれだけの労力が必要でしょう・・・それでどれだけの効果があるのでしょう?そのメーカーさんだけ三次元化しても、下請けさんや協力会社、関連会社まで連動して導入しないと・・・効果あがりませんよね・・・。
どこまで普及するか・・・今後を見守らないとわかりません・・・。

2.三次元データからイラスト化って誰がやるの?
結構手間ですよ・・・。
今まで設計が完了した後、イラストレーターに渡していた作業ですが、モデリングデータがあるからといって社内で誰がやるのでしょうか?設計した人がイラストやさんの代わりに作るのですか?そんなに暇は無いと思うのですが・・・。確かにモデリングデータがあって、チョットCADの操作がわかれば比較的簡単に二次元CADデータに出来ます。ただ部品点数が多かったりすると結構手間ですよ!これが!!!拡散分解図を作るとなると、レイアウトなんかも必要なわけで、これが慣れない人がやると手間ばかりかかるし、きれいに出来る事のほうが奇跡かも???
ボルトやナット、スプリング等々、機械要素と呼ばれるこれらの物は、モデリングでは省略される事が多々あります。これは2Dで描くなり、どこかから部品で持ってきて配置するなりの作業が発生します...結構膨大な労力がかかります...はい!

3.イラスト化した物、見たことあります?
以下に簡単なものですが、モデリング画像と2D出力後の画像を掲載します。
3Dモデリングデータの画像
↑記データの2D化画像
右の線画を見て頂くと、テクニカルイラストを知らない方でもわかるような不要な線が各所にあると思います。また通常2Dで描く時には描かないような線も現れてしまっています。これはCADにもよりますし、またモデリングのやり方によっても?変わるかもしれません。
しかし、複雑なR(丸み)を持った形状ほど、この様な不要な線が現れてしまうようです。場合によっては、必要な線が現れていない場合も多いのです。
美しく見せるために・・・この様なイラストを載せるドキュメントも製品の一部であります!・・・は、不要な線を削除しなければなりません。専門家がやるのが早いでしょうし、素人さんではどの線を残すかさえ判らないのではありませんか?

また、上の右の線画ですが、楕円はポリライン(短い直線が連結しているもの)になっています。これを加工するなら、最初から2Dで描いた方が早いでしょう!

4.購入品はどうするの?
一つの製品を作るのに、社内で全て部品を製造する事はほとんどないでしょう。そりゃあ簡単な物ならありえますけど、普通は電機部品等々は購入品を使いますよね。でもこれって三次元データも売っているのでしょうか?手に入らなかったら、わざわざモデリングするのでしょうか?問題です!

5.メンテナンスの時、誰が直すの?
今まで外注に出して作成してきたイラスト。三次元化してもこれはデータが無い!さて、修正が入った時に誰が直すのでしょう。
今回三次元データから作成したイラスト。修正が入った時に、今までだったらチョット直すだけ・・・でもそれが出来ないからモデリングデータからいちいち二次元化して前のと置き換え。部品点数が多いと・・・こりゃ大変!

6.取扱説明書なんかの手・足や矢印なんかが入っているのはどうするの?
三次元データから説明用のイラストにする・・・手足や説明用の記号・矢印・・・・。ちゃんと描けますか?うまく編集できますか。慣れた人なら問題無くても、描きなれない人がやると人の手だかエイリアンのそれだか???
折角三次元データがあっても、やはりそれ以外のイラストが必要になるのです。


でも、やっぱり3Dって凄いし、多くのメーカーさんで導入しているのも事実...。
つまり、今後この世界で生き残っていくには...3Dと正面から向き会いながら...3Dの良いところ、利用できるところをうまく活用しながら...今まで通りの2Dと融合させてやっていくしかない...これが結論でしょう...。
そう、3Dだけでも、2Dだけでもだめな時代が始まってしまったのです!

(と、描いている管理人も3Dデータを扱っていますが...T.I.知らない人に編集させると...勘弁してよ...てな感じ...)
      
 
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